気になる話し その7
スウィフト社は、1890年代の終わりには「垂直的に総合化された巨大な産業王国」をつくり上げました。
スウィフトと対比されるのは、同じころたちまちのうちにたばこ産業の独占企業lI-アメリカン・タバコ会社1を築き上げた、ジェームズ・B・デュークでしょう。
デュークもまた新技術を利用して、紙巻煙草の普及により、葉巻以外の全煙草製品系列における支配権を握りましたが、「彼は新しい需要に新しい技術を適用するや、大規模な広告と全国的、国際的な販売・配給組織を通じて、市場拡大に乗り出したのである」(チャンドラー、前掲)。
両社はいずれも19世紀後半から20世紀はじめにかけてのアメリカの巨大企業でしたが、いずれも農産加工業に属しており、農業国アメリカの陰影を深く刻みこんでいます。
これに対し、製造業部門では、家庭用ミシンで世界的に著名となり、第2次大戦までは少なくとも他社の追随を許さなかったシンガーの成功も、強力な世界的販売ネットワークに深く依存していました。