創業者の過去 その1
ソケットの改良に全力。
電気工事の職工達の目標は、検査員になることで、各担当者が施工した工事を検査して、点検して回るのが仕事だった。
仕事は楽だったが、これが終点かと思うと、なんとなく虚しい気がしました。
そんな気分も手伝って、彼はソケットの改良を試みた。
さんざん苦労してつくり上げたので自信があった。
そこで、会社のソケットをこれにすればよいと思い込んでいたので、主任のところへ持っていきました。
「どうでしょう。
私が改良したソケットです・・・」見てくださいと差し出した時は、必ずほめてもらえると思い込んでいました。
しかし主任は手に取ると、首を振った。
「こんなものでは問題にならん・・・」「いけませんか・・・」「話にならん。
こんなものではな」しかし幸之助は棒立ちになったままだった。
ショックが大きすぎて、口もきけなかった。
主任に背を向けたとたん、涙があふれそうになりました。
何もあんなにクソミソに言わなくたっていいじゃないか。
悔しさがこみ上げてきてどうにもならない。
そういうこともあって検査員の仕事にも熱が入らなくなってしまった。