創業者の過去 その13
ちょうど江ノ子島橋を渡って、日本郵船の社屋の前にさしかかったところ、川に沿って疾走してくる自動車がつい間近に迫ってきました。
当時は、国産車などなかったからフォードか何かだったのだろう、"アッしまった!"と一瞬血の気が引いたとたん、もうバネ飛ばされていました。
路上に座っている幸之助を取り巻くようにして、野次馬がじっと見守っています。
自転車に乗ったまま自動車と衝突したのです。
ところが痩せっぽっちのせいか、ふわりと空中を飛んで落下したものとみえて、不思議や不思議、かすり傷一つ負わなかったようです。
立ち上がると、見物人の間から、"オオッ"というどよめきの声が起こりました。
「運のええ人やなア・・・」驚きの声をあげつつ、群衆はこの強運の人物を祝福しました。
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